あらすじ
その嘘は真実以上、気づいてなお手放せぬ虚構。
瑞峰学園、そこは全国の秀才・異才が集う名門校でありながら、「意図的に個性の強い生徒達を集め、ぶつけ合う実験場」でもあった。
優れた個体を選び出し、使える者は引き上げ、使えない者は社会のノイズとして切り捨てる『選別の学府』。
このシステムは、国家レベルの意思決定層と深く繋がっていた。
学力、体力、戦略、政治的駆け引き、そして裏の世界での影響力、この学園では、単なる優等生では生き残れない。
速水蓮、その異質な存在が入学したのは、そんな学園だった。人の心理を読み取り、感情を操る。さらに、「脳内物質コントロール」という異質な能力を駆使し、極限の状況でさえ冷徹に行動することができた。
彼にとって、暴力も権力も取るに足らない。
必要なのは、戦わずして勝つこと。
合理的に、確実に、静かに。
速水は「最善の策」を選び続け、この学園の“支配構造”の外側を歩む。
しかし、学園の裏に潜む「観察者(オブザーバー)」は、彼の存在に目をつけていた。
瑞峰学園が国の未来を決定するために設計された場ならば、速水蓮という「制御不能な異物」は、その均衡を脅かす危険因子でしかない。
速水は、その真意を探るうちに学園の暗部に足を踏み入れていく。
権力争い、知略戦、心理戦、そして時に命を賭けた闘争。
速水が最後に辿り着く答えとは何か?
裏の世界の支配者となるのか、それとも——?
これは、異端の者たちが交錯する学園で、速水蓮が何を選び、何を得るのかを問う物語である。