あらすじ
名前を呼ばれた記憶は、声よりも先に、胸の奥に残っていた。
病室の時計は止まり、名札は裏返されていた。誰も、僕の名前を呼ばなかった。
夢の底に沈んだ僕が辿り着いたのは、記憶でできた街《ノモリア》。
そこでは、忘れられた声が建物に染み込み、ぬいぐるみの片目が取れ、髪飾りが空から舞い降りる。
妹の記憶が揺らぎ、神鎖の巫女が現れ、僕は選択を迫られる。
——名前か、記憶か。
それは、誰かを守るために、自分を捨てる選択。
名を喰らう神となった僕が、最後に聞いた声は、夢の中で呼ばれた名前だった。
あなたは、最後に誰に名前を呼ばれたいですか。