あらすじ
臆病な白魔道士レオンは、ある日突然、銀髪碧眼の第一王子セオドアに「俺の専属になれ」と告げられる。
完璧で誰より強くあるはずの王子が、彼の前でだけ見せる脆さ。
その秘密に触れたとき、レオンは初めて「この人を支えたい」と願う。
癒しと誓いが重なり合い、やがて二人は避けられぬ運命へと踏み出していく――。
【コンテスト用あらすじ(ネタバレ有)】
ルメリアン王国の片隅で、レオン・アルバスは静かに暮らしていた。
黒髪に琥珀の瞳。男でありながら「白魔道士」として回復や補助しかできない彼は、攻撃魔法を得意とする男たちの間で肩身が狭く、「臆病者」と笑われる日々を送っていた。それでも人を癒す力だけは確かで、優しい笑顔と柔らかな気配に触れる者は、誰もが心を解かれていった。
ある日、王都に噂が広がる。
――第一王子セオドア・エルンストが、自らの専属白魔道士を雇うらしい。
銀髪碧眼、勇者の末裔にして「勇者の再来」と呼ばれる完璧な王子は、誰もが憧れる存在だ。
町の白魔道士たちが色めき立つなか、レオンは「自分には関係ない」と草むらに寝転がっていた。だが、そこで彼の前に現れたのは――まさにそのセオドアだった。
「君を探していた。今日から俺の白魔道士になってほしい」
突然の任命に戸惑うレオン。しかし、王子の言葉には不思議と逆らえない温かさがあった。
こうして始まった王宮での生活の中で、レオンは衝撃の秘密を知る。
セオドアの身体には、千年前に魔王が勇者へとかけた呪いが残っていたのだ。
その呪いにより、彼は小さな傷すら致命傷になりかねない体質を背負っていた。
完璧さの裏に隠された弱さ――そしてその呪いを和らげられるのは、レオンの癒しの光だけ。
「だから俺には、君が必要なんだ」
セオドアの真っ直ぐな瞳に射抜かれ、レオンは「この人の力になりたい」と初めて強く願う。
やがて二人は呪いを解くため、近衛騎士アクィラと共に封印の地を目指す旅に出る。
道中、アクィラはレオンに「俺なら無理をさせない」と囁き、三角関係の揺らぎが生まれる。
だがレオンの心は次第に、セオドアの大きな背中にしか向かなくなっていった。
そしてついに、千年の眠りから目覚めた魔王が姿を現す。
魔王はかつて勇者を愛しながら叶わず、憎しみと未練を呪いに変えた存在だ。
セオドアに勇者の面影を重ね、彼を欲する魔王は、レオンに取引を持ちかける。
「呪いを解いてやろう。その代わり、おまえは俺のもとに来い」
揺れる心。だがレオンは叫ぶ。
「俺はセオドアのそばにいる!」
魔王との死闘のなか、レオンの癒しの力は真の輝きを放つ。
それは呪いすら浄化する“金色の光”。
ついにセオドアの身体を縛っていた呪いが解け、魔王は勇者への未練を吐露しながら闇に散っていく。
戦いが終わった後、セオドアは涙を滲ませながら告げる。
「俺を救ったのは君だ。レオン、君を愛している」
レオンもまた、その胸に飛び込み誓う。
「俺も、セオドアを癒し続けたい。一生だ」
そして王都への帰還の日。民衆が見守るなか、セオドアは堂々と宣言した。
「彼は俺の唯一の白魔道士であり、俺の伴侶だ」