あらすじ
ここは「理想の学級」――の、はずだった。
2年B組担任、柊木正人。
誠実で、熱心で、生徒想い。
保護者からの信頼も厚く、職員室では“模範教師”と称えられている。
だがその笑顔の裏で、彼は――「何も見ていなかった」。
いじめはなかった。
誰も傷ついていない。
すべては誤解で、ただの成長過程――そう信じることで、彼は“教育者”であり続けた。
だが、
生徒たちは、声を上げられず、
気づかれず、
やがて黙ったまま、静かに壊れていった。
教室という密室で、
加害者も、被害者も、傍観者も、
全員が「何も言わなかった」罪を背負う。
――これは、
誰にも助けられず、
誰も助けなかった、
30人の生徒たちが全員、不幸になるまでの記録である。