あらすじ
ケンベル・カラルフス。
彼は王家の血筋を引き継ぐカラルフス家の第一皇子。
しかし彼は王家という名誉を不必要とせず、自由気ままに冒険する夢を見ていた。
そしてついにあることをきっかけにケンベル皇子は王城を抜け出し、城壁に沿って脱出しようとした。
が、しかし。
突如、「痛いよぉ……」と女性の声が耳に届いた。
ケンベルは魔人《デーモン》であることを恐れ、腰の宝刀を抜き、警戒しつつも発音者の方へ近寄った。
恐る恐る声の主人の元へ近づいてみると、そこには綺麗な狼のような物静かな女性がいた。
その女性は彼女の負傷していた脚を何度もさする手をとめ、皇子の方を見て怯えている様子だった。
彼は見るに堪えない彼女の脚を回復魔法で回復させる。
皇子は「其方は淑女で間違いないか……?」と彼女に聞く。
それに応えるようにして彼女はふるふると首を横に振る。
そこで初めて彼女は彼女ではなく彼だったことを知った。
彼にさまざまなことを聞いてみると、
彼はカミリア=メーリュアという名で、辺境ケラス村で魔術師として依頼を受けたりと生活をしていたが、ある日彼が観察と治療を担当していた患者の少年の容態が急変し、死亡した事件があった。
死亡した事実を受けて少年の母親が、彼に責任を追及して非難した結果、彼は村人たちからの信用を失った。
村での地位と人望を失った彼はついには村人たちに危害を加えられる羽目にまでなり、彼は意を決して村から脱出することとなる。
3日間行く当てもなく森を彷徨っていたらしい。
そこで魔物に襲われ、魔力も枯渇していた彼は城内へ逃げ込んできたらしい。
似た境遇のカミリアに、ケンベルは行動を共にしようとするが……