あらすじ
現代、東京。
人々の噂や恐怖は形を成し、都市伝説として語られる怪異『歪話(わいわ)』が、街の闇に紛れて現実を侵食していた。
大学生の黒瀬 縁(くろせ えにし)は、数年前に歪話に家族を惨殺された、ただ一人の生存者。彼は復讐のためだけに、怪異を狩る政府の非公認組織に身を置いていた。
彼の異能は『捕喰(ほしょく)』。
討伐した歪話の核(コア)をその身に喰らい、伝承ごと能力を奪い取る、あまりにも禍々しい力。
――“八尺様”の空間跳躍。
――“ターボばあちゃん”の超加速。
数多の都市伝説をその身に宿すことで、縁はより強大な怪異と対峙する。しかしそれは、喰らえば喰らうほど、彼の精神が人間から遠ざかっていくことを意味していた。
これは、都市の闇を喰らい、自らも闇へと堕ちていく孤独な青年の、戦いと救済を巡る記録である。