あらすじ
感情をデジタルデータとして売買できるようになった近未来。人々は辛い記憶を売り、手軽に幸福感を買って心を保っていた。
高校生の湊(みなと)には、切実な願いがあった。それは、事故で感情を失ってしまった妹・凪(なぎ)の笑顔を取り戻すこと。正規のデータでは効果がなく、追い詰められた湊は、非合法の高純度データが取引される闇市場に足を踏み入れる。
そこで彼は、謎めいた転校生・月島詩織(つきしま しおり)と出会う。「偽物に意味はない」と冷たく言い放つ彼女。
やがて湊は知ることになる。妹を救うはずだったデータが、実は彼女を更なる闇へと突き落とす危険な罠であったことを。それは、この世界の根幹を揺るがす巨大な陰謀への、ほんの入り口に過ぎなかった。