あらすじ
山谷千冬は、名門・桜陰学園の「調律部(チューナー)」に所属する二年生。舞台は都市の夜と、その下に密かに広がる“余白域”。奏具と呼ばれる武器で余白を縫い止めるのは、少女たち──調律士(チューナー)だ。千冬は複数の補助技術(サブスキル)を自在に使い、仲間を支えることに長けているが、その“万能さ”は同時に彼女自身に重い代償を課している。
ある夜、千冬は戦闘の隙に自分の「笑顔」を忘れかけていることに気づく。敵を倒すたびに増えるほくろのような影、守りきれなかった誰かの記憶。仲間との距離、指先の震え、そして救いを求める瞳——千冬の均衡は少しずつ狂い始める。やがて彼女は、勝利のための完璧さと、人としての“危うさ”を同時に抱えたまま、選択を強いられる。