あらすじ
宮本(みやもと)郁(いく)・十三歳は、毎日を灰色のつまらないモノだと思っていた。しかし、おとぎ話に出てくるような妖精と出会い、秘密の友達が出来たと、それだけが楽しみだった。
町では妖精による事件が起こる。その中で、クラスメイトの堤(つつみ)が、同じく妖精に懐かれた存在だと知る。
また、妖精を集めようとしている青年達・結翔(ゆうと)と志希(しき)と出会い、日々はますます楽しくなっていった。
郁が日常を面白くなく感じていたのは、母親のせいだった。祖母の看病で忙しい母は、ヒステリーで、ディスコミュニケーションばかり起こす。
ある日、母と口論になって飛び出した郁は、妖精を使って悪さをする少年・松浦と戦う羽目になる。しかし松浦も家庭に問題を抱えていて、二人はわかり合うことが出来る。
学校では、〝堤と宮本は交際している〟と噂される。噂を流したのは郁の友人だった。
また嫌な気持ちを抱える郁だが、そんなとき、日本に妖精をもたらしたフランス人・エルノー氏に会う。器の大きなエルノー氏と話して、小さな噂を気にするのが馬鹿らしくなる郁。
数日後、友人が〝神隠し事件〟に遭う。郁は、妖精が関わっているかもしれないと考え、友人を助ける。
事件を経て、友人とは、つかず離れずの適切な距離がある、と割り切ることができる。
郁は将来を見据えるようになり、勉強を始めたりする。
しかし、妖精を使って悪さをしているもう一人の少年・大槻(おおつき)が、〝妖精の真の主〟である真音(まのん)・エルノーを襲う。応戦する郁たち。
その中で郁は、堤や結翔達や、松浦に、理解され、支えられていることを自覚する。心強さを覚えた郁は、妖精達に〝心の強さ〟を気に入られ、大槻から妖精を取り上げることに成功する。
しかし郁は、自分が妖精を統べるのでは無く、真の主の真音が大人になるまでの間、みんなで妖精を守ろうと声を掛けるのだった。
そして十年後。大人になった真音の元に、皆が久しぶりに集まる――。