あらすじ

人類が肉体を越え、魂を記録する時代。 太陽の光と宇宙の静寂の中に浮かぶ巨大構造体――エーテル・ノード。 そこは物質世界と情報世界を接続する、人類存続の根幹となる施設であった。 ノードの内部では、幾億の魂が「時代ごとの世界」に保存され、限りなく精密に再現された日常を生き続けている。かつての地球の街並みも、古びたアパートも、見慣れた青空も――すべては情報の編み目に過ぎない。それでも、そこに生きる者にとっては、まぎれもない現実であった。 主人公もまた、そのひとり。 彼は自分が情報世界の住人であることを知らない。ただ日々を生き、時に笑い、時に悩み、そして心の奥底に、微かな違和感を抱えていた。 ――なぜだろう。僕はなぜ、こんなにも空を見上げてしまうのだろう。 ――これは本当に、僕の人生なのだろうか。 ある日、十年ぶりに義理の姉から連絡が入る。再会の夜、二人は酒に酔い、そして一線を越えてしまう。罪と憧れのはざまに揺れる翌朝、青年の心に芽生えた疑念は、やがてノードの奥深くへと通じる裂け目となる。 人は何をもって「生きている」と言えるのか。 魂はどこに宿り、誰のものなのか。 そして、彼自身の存在は“本物”なのか、それとも――。 エーテル・ノードという未来の神殿を舞台に描かれる、SFと純文学が交錯する物語。 これは「人間の弱さ」と「生命の在りか」を問い直す、静かで深遠な旅の始まりである。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/08/18
  • 現在の作品今日からあたしのセフレな?