あらすじ
インターネットサービスプロバイダーのコールセンターで働く神田絢香、26歳。彼女の日常は、マニュアル通りの言葉とクレームの怒号で彩られている。高校卒業後、フリーターとして過ごした気ままな日々はパンデミックで終わりを告げ、今は生活のため、特に好きでもない仕事に就いている。
感情を押し殺し、淡々と電話対応を続ける絢香にとって、唯一の楽しみは「サウナ」だ。熱気と水風呂、そして外気浴で訪れる「ととのい」の瞬間だけが、色を失った日常に鮮やかな光を与えてくれる。
そんなある日、絢香は「サウナイキタイ」で、まだ誰にも知られていない謎のサウナ施設『キコリのサウナ』を発見する。退屈な毎日に風穴を開けるため、彼女は新たな聖地を求めて一歩を踏み出す。これは、日々の疲れを癒やし、自分自身を取り戻すための、ささやかな冒険の物語。