あらすじ
コロンボ郡フォリエ川の暴れ龍・大海龍ザカリアの討伐に成功したコシナ王国の冒険者パーティー「鼬」。
酒場で討伐に参加した冒険者たちが祝宴を開く中、「鼬」に所属するチェーザレは戸惑いがちに宴に参加していた。
何しろザカリアにトドメを刺したのはチェーザレなのだ。口々に冒険者たちが、彼へと「おめでとう」の言葉をかけていく。
しかしその祝辞を、チェーザレは困ったようにしながら素直に受け取らない。
それもその筈、「鼬」の一員としてのチェーザレはザカリアに喰われて命を落としており、ここにいるのはチェーザレに変化して彼のふりをしているザカリアなのだから。
居たたまれなくなったザカリアは手洗いと称してその場を離れるが、後をついてきていた「鼬」のリーダー、バルトロには既に見破られていた。
よく考えれば討伐対象が生き延びているのだから、討伐は失敗したと言ってもいい。しかしザカリアは竜としての自分を殺してもなお、冒険者たちに栄誉を与え、また死んだチェーザレのかわりを務めようとしていたのだ。
そのことに、バルトロは改めて「ありがとう」を告げる。そしてザカリアを「チェーザレ」として、再び酒宴に誘うのだった。