あらすじ
旅の料理人・フィオナは、馬車二台を改造した屋台「旅路の鍋亭」を引いて各地を巡っている。
新たに訪れた町で営業許可を取り、広場に店を構えた彼女の前に現れたのは、無骨で無口な黒髪の騎士・クラウス。最初はぶっきらぼうだった彼も、彼女の鍋の味に少しずつ通うようになる。
鍋に火を灯し、人々に温もりを分ける日々。
だが、町に忍び寄る小さな事件が、屋台と彼女の心を揺さぶっていく。
言葉は少なくても、料理は雄弁。
煮込み鍋がふたたび湯気を立てるとき、変わり始めるのは――彼女か、それとも彼か。
味と静けさが育てる、やさしい異世界恋愛譚。