あらすじ

北海道、北広島市。札幌にほど近いこの街に、エスコンフィールドが完成したのは2023年春のことだった。 しかし、その完成式を待たずに、伸子は長い旅へと出かけてしまう。 ――そう、そのときは、旅がこれほど長く続くとは思ってもみなかった。 やがて戻ってみると、街にはすっかり球場が溶け込み、風景の一部となっていた。 家に帰りつくと、机の上に一枚のメモが置かれている。 「?」とだけ書かれた文字。 響香から渡されたメモ用紙の裏には、別の手で「強剪定」と走り書きがある。 たった一枚のメモ用紙が、一日の流れを支配してしまうこともあるのだ。 そう、伸子が「虹の輪」の旅を知ることになったのも、カバンの中に“あるはずのもの”が見つからなかった、その出来事が始まりだった。 蛇口から流れる朝の一滴が、古来の水脈につながっているように。 太平洋も、大西洋も、ときを越えて、物語はひとつながりになることがあるのだ。

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カクヨム
カクヨム2025/08/17
  • 現在の作品台所で、は・が・の、世界はかわる 台所シリーズ長編