あらすじ
高校二年生の十握(とつか)真白(ましろ)は、その中性的な顔立ちと声変わりが起こらなかったことが相まって、初対面の者から必ず一度は女子として認識されてしまう。
今となってはそのことに頭を悩ませることは無くなったものの、最近新たな悩みを抱えていた。
「好きです!付き合ってください!!」
「無理。おつかれ〜」
それはほかの男子たちの告白練習台にさせられること。
声も見た目も女の子に近い真白にバッサリと断られておくことで、本番でフラれた場合のダメージを少なく感じさせるために、ある一人の男子が行ったのだが、その男子が告白を成功させ、真白で予行練習したからだと騒いだこともあり、ある種のジンクスとして男子たちにその話が広まってしまった。
以来、真白は告白予行練習のために訪れる男子たちにうんざりする日々を送っていたのだった。
そんなある日。
「真白〜、おれフラれちまったんだよ」
「へぇ〜そりゃ、かわいそうに」
「でも新しい彼女できた!」
「だからフラれたんでしょ……」
「そんな目で見るなって〜!んでさ、今度こそ長く付き合いたいから、今度の土曜、恋愛祈願に行くの付き合ってくれ!」
「なんでボクが……」
「大通りに出来たオムライスの専門店で飯奢ってやるから!」
「行く」
そのジンクスを作り上げ、学校中に噂を広めた張本人でもある天海(あまみ)玲司(れいじ)の誘いに簡単に乗せられてしまった真白は、後にその選択を後悔することになるのであった。