あらすじ
魔族の国、天津国の皇太子・晁彦は、飛びぬけて聡明であったが、代わりに非力であった。
どれほど鍛え、努力しても、それは変わらなかった。
常魔の十分の一ほどの膂力と体力では、将来の魔皇を名乗るにはあまりに虚弱なのではないか、伴侶も守れぬ自分など結婚する資格もないのではないか。
縁談話から逃げ回り、弱音を吐いた皇太子に、一人の出仕がばっさりと言った。
『ないものに焦がれても、どうしようもありませぬ』、と。
一方、人族の国の良家の姫は、己の怪力に悩んでいた。
自分の怪力という悪評が、大切な家族の評判を落としている。どんな努力も怪力という評判の前には霞んでしまい、まともな縁談を諦めていた。
二つの国を挙げて行う年に一度の『月の宴』で二人は出会う。
魔族の国の皇太子が、惚れた姫の心をなんとかして手に入れようとするお話。
※R15は一応です