あらすじ
都市に口を開けるダンジョン。
そこは資源と脅威が混じり合い、探索者や医療班が日常的に出入りする“もう一つの現場”だった。
桐島莉理香。
災害医療を志していた彼女は、学生実習の一環として医療枠探索者の活動に同行する。
だが初めて踏み入れたその日、想定外の崩落事故に巻き込まれ、命を落としかけてしまう。
そのとき彼女が出会ったのは、“竜の残滓”。
共生を余儀なくされた莉理香は、人の姿を保ちながら竜の声と力を宿す「竜娘」となった。
本来は人を救う医療者。
しかし竜の力は癒やしだけでなく、常識を超えた破壊をももたらす。
やがて現場の人々からは「最強のヒーラー」「支援の破壊神」と呼ばれるようになり、協会や政治、メディアの思惑に巻き込まれていく。
ドローン映像とバイタルログを通じて、その姿は半ば公人化。
ネット社会では「かわいい咆哮」と囃される一方、畏怖と熱狂の対象にもなっていく。
日常では一人の若き救護者。
ダンジョンでは竜の力を秘めた存在。
彼女の歩みは、やがて世界の均衡を揺るがす戦いへと続いていく――。