あらすじ

人に好かれなくても、生きていける――はずだった。 来栖貴志、高校生。筋金入りのコミュ症にして孤高のぼっち。家計は厳しく、彼の唯一の優先順位は、妹を無事に高校へ――そのために、できれば誰とも関わらず稼げる「割のいいバイト」を探していた。 ある日、携帯に一通のメールが届く。件名は【バイト急募!】 本文にはこうある。 明るい・優しい・友達が多い人はお断り。根暗で捻くれていて、コミュ症でぼっちな人歓迎。人に恨まれても動じず、依頼を淡々と遂行できる方。 入会金十万円、成功報酬制。怪しさ満点だが、背に腹は代えられない。 指定場所へ向かった来栖の前に現れたのは、同じクラスの八重桜琴音。彼女の最初の依頼はこうだ。 「小日向みかんに押し付けられている『金魚の世話』をやめさせてほしい。ついでに、押し付けた女子たちには、二度と同じことをしようと思えないくらいの屈辱を」 提示された報酬は十万円+三万円。 来栖は、目立たず、感情を挟まず、ただ結果だけを置いていく――独特のやり方で依頼を達成。報酬を手にすると、八重桜からは次の依頼、そのまた次の依頼。来栖は「嫌われ役」を買って出る形で、妹のために淡々と仕事をこなしていく。 けれど、その横顔をじっと見つめる視線があった。彼女の名は小日向みかん。 彼女は、嫌われ役を演じる来栖を面白くないと感じている。敵意か、苛立ちか、それとも別のなにかか――自分でも言葉にできない感情を抱えていた。 金のために動き始めた少年が、奇妙な依頼と人間関係に巻き込まれ、少しずつ他人の重さと温度に触れていく。 嫌われることを引き受ける仕事の先で、来栖の視点は行動はほんのわずかずつ軌道を変えていく。

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小説を読もう2022/02/27
  • 現在の作品来栖貴志君は嫌われ者です