あらすじ
約14坪の小さな服屋。
その店のオーナーは服を洋服という言葉でまとめることを嫌う。
「服とは洋だけではない。」
これは彼の持論の一つである。
故に彼の店は、「着る物屋」と呼ぶ。
また、着る物屋という意味には彼のある特殊な力の秘密に、深く直結することからもきていた。
常に前衛的な彼は、事あるごとに厄介事に首を突っ込み、小さな火種を山火事ほどの大炎上へと変える。
結局自分一人ではどうしようもなくなるこの男には、常に事態を鎮静化させる役目の部下二人の影があるのだった。
ある日、彼等三人はこの小さな店に訪れる一人の客によって、一つの事件に巻き込まれていく。
幾多にも絡み合う人間関係。誰と誰が繋がり、誰が糸を引くのか。全てにおいてその偶然とも必然とも思える出会いに、三人の運命の歯車は急速に噛み合わせを強くしていくのであった。