あらすじ
昼は太陽の光で焼けるように熱く、夜は月が昇ることなく星々のみが輝く世界。
人々は戦いを司る太陽神、癒しの歌を紡ぐ月神、獣から人まであまねく存在を導く星神、時を操る海神、大地の全てを管理する山神の5柱を崇めていた。
<神話の時代のお話>
神々は人間だった。
どんな理由があり神となったかは人類史では明らかにされておらず、謎に包まれていたが少なからず分かっていることはあった。
1つは星神と月神は兄妹だったということ。
2つは星神と海神が夫婦だったということ。
3つは全員が旅仲間だったということ。
そして5人が5柱の神となった後の大きな話は2つある。
1つは太陽神と月神の結婚が決まったということ。
2つはその花嫁である月神を山神が攫ったということ。
山神が仲間であったはずの神々に対し、なぜそのような凶行を行ったのか人類に知る術はなかったが、結果として残った史実を見るに、山神が大地の管理を放棄したことで神話の時代の大地の豊かさは失われ、作物のあまり育たない荒れた土地となりました。
そして大地を司る山神が隠した月神を見つけ出すことができず、太陽神は憎悪に身を焦がしたことで鮮やかだった赤髪は黒く変色し、優しい陽の光のようだった虹彩は夕暮れの燃え盛る太陽のような瞳へと変わりました。
その影響は絶大で昼間は焼けるような陽光と茹だる気温、そして100年に1度程の間隔で愛し合う夫婦の元に憎悪に染まった太陽神の特徴をその間に宿した赤子が産まれることが起きるようになったそうです。
憎しみに囚われた太陽神の特徴である真っ黒な髪に灼熱の太陽のような瞳、そして両親とは似ても似つかない風貌を人々が受け入れることができず、嫌悪、侮蔑、畏怖の念を込めて、人々はそれらの子を"太陽の子"と呼ぶようになりました。