あらすじ
とある世界。
統一帝国イル=ヴァリアの南方に位置する貿易都市"ザル=メルカ"。
多国籍な文化が混じり、交易で栄えたこの町は、エリサ・セレファーン皇女殿下の統治のもと、明るく、それでいて秩序だった街。
古くは城も築かれたこの街は城壁に囲まれ、外界と街を程よい距離感でつなげている。
しかし、一つ壁を越えた旧城壁外区には、壁内での利権争いに巻き込まれた住民や不法移民、ギャングのはびこるスラム"ロウ・ネスト"が広がっている。
そんなスラムで生きる青年"ケイ"は今、獄中で静かに死を待っていた。
かつては全く別の世界にいた彼は、理由も分からぬままこの地に辿り着き、頼る者もなく、ただ日々をやり過ごしていた。
だがある日、策略により彼の運命の歯車は音を立てて回り始める。
そして、絶望の底で待ち受けていたのは──思いも寄らぬ訪問者だった。