あらすじ

「今夜、お前んちに泊まってもいいか?」 その晩、インターホンが鳴った。扉の前にいたのは同じクラスメイトの井上末嗣だ。 「は?」 間抜けな返事を返すのは君島悠樹。 級友の突然の訪問に戸惑いながら、脳内で彼はどうやって断ろうかと考えていた。 別に井上末嗣が問題というわけではない。彼とはクラスのグループの一人。つるんで何かをする程度にはそこそこ親しい。そうではなく誰であっても、部屋に上げるわけにいかなかった。 実は君島悠樹には世の中に絶対明かせない秘密があった。 その秘密とは――実は悠樹が性別を偽った女だということだ。 「泊めておあげよ」 その時背後から声が飛んだ。悠樹の祖母だ。 ちっと悠樹は心で舌打ちする。 ――泊めておあげじゃ、ねえだろが!

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