あらすじ
風鳴学園――。
全国でも屈指の音楽強豪校として知られ、数多くのメジャーデビューを輩出してきたこの高校では、軽音楽部が一種の“聖域”として君臨している。
ランキング戦、文化祭、全国大会「Sound Impact」。若き才能たちが火花を散らす舞台は、夢と現実、栄光と嫉妬が交錯する、音楽の戦場だ。
主人公・**天野 光(あまの ひかる)は、目立たない高校1年生。
だがその正体は、動画サイト「metube」で活動する謎の歌い手「HIKARI」。
素顔も正体も明かさず、ただその“声”だけで多くの人の心を震わせてきた。
一方、風鳴学園軽音部で今最も注目されているバンド――
それが、かつて全国を沸かせた姉からフロントを受け継いだ少女、**風見 莉音(かざみ りおん)**が率いる「Blue Noise」。
天真爛漫な彼女は、中学時代から音楽の中で生きてきた。
けれど、ステージに立つほどに痛感する。「私の声じゃ、何かが足りない」と――。
そんな二人がすれ違ったのは、何の変哲もない廊下。
上機嫌で鼻歌を歌う光の声に、莉音は立ち止まる。
その瞬間、彼女は確信する――
「この声……大好きな歌い手“HIKARI”だ」
自分のバンドを、音楽を、もっと遠くへ――。
届かない“何か”を手に入れるために、彼女は光をBlue Noiseに誘う。
「あなたの声が、必要なの。」
夢、嫉妬、友情、恋、そして音楽――
交わるはずのなかった二人の旋律が、いま、ひとつになる。
これは、心と声で世界を変えようとする少年と、
かつての“光”を超えようともがく少女の、
ひと夏の奇跡のシンフォニー。