あらすじ
春、新学期。
隣の席になった少年・朔夜の机には、小さな猫の落書きがあった。
「これ、かわいいね」
無愛想に顔を背けた彼の横顔は、どこか儚く、触れたら壊れてしまいそうでーー。
人知れず重い病を抱える朔夜と、明るく真っ直ぐな亜悠奈。偶然の出会いは二人の心に温かな変化をもたらし、やがて恋が芽生えていく。
「卒業式の春、桜の下でまた会おう」
未来を約束した二人。文化祭で描いた壁画の猫、病室で飾った小さなツリー、どんなに残酷な現実にも、寄り添い笑い合った日々は確かにあった。
だが、幸せな時間はあまりに短かった。朔夜の病状は急速に悪化し、医師は告げる。「手術は命を賭けた賭けになります」
未来か、今か。朔夜は葛藤する。
「俺がいなくなったら、あいつは…」
だが亜悠奈は震える声で彼の手を握りしめた。
「あなたが生きているだけで、私は幸せなの」
最後の春。桜が舞う病室で、彼は心に決める。
「君が愛した俺は、まだここにいる」
命に抗い、少年は少女と交わした約束を守るため未来へ歩き出すーー
。
儚さと希望が交錯する、涙と愛の青春ラブストーリー