あらすじ
夕暮れの街角、古びた洋食屋「グリル・モナミ」の赤い看板が揺れていた。窓から漏れる温かな光は、遠くからでも私を呼んでいるようだ。
小さな頃、祖母と手をつないで歩いた道――雨の日も風の日も、笑いながらここへ来た。店内に漂う木の香りやバターの匂い、フライパンの跳ねる音に、あの日々の記憶が一気に蘇る。
オムライスの甘酸っぱい香りとふわふわの卵の味に、祖母の笑顔や優しい声、手の温もりが重なり、胸が熱くなる。大人になった今も、この味は祖母そのもので、心をそっと支えてくれる。
窓から差し込む夕陽が黄金色に輝くオムライスを染める。私は心の中でつぶやく。「おばあちゃん、ありがとう」
街の四季を感じながら歩き出す私の胸には、祖母と過ごした愛しい時間が、確かに生き続けている。