あらすじ

霧深い山の奥、古の神社。朱塗りの鳥居をくぐると、朝露に濡れた苔の石段が静かに光る。巫女の少女、桜夜(さくや)は幼い頃からこの神社で育ち、森の奥に潜む秘密を知っていた。 ある春の日、幼い桜夜が境内を駆け回っていると、赤い瞳が揺れる影が森から現れた。百年の孤独を生きる鬼、焔牙(えんが)。無言で手を差し伸べる彼に、迷子の桜夜は恐怖と戸惑いを抱えながらも手を握った。その瞬間、互いの縁が静かに芽吹く。 「こわくない…」焔牙の低い声が森に溶け、桜夜の胸に深く残った。人と鬼、触れてはならぬ存在。それでも心は抗えず惹かれあう。 桜の季節、薄紅色の花びらが風に舞う境内。互いに触れられぬまま視線だけで想いを伝え、森と神社に二人だけの時間が静かに流れる。夜の満月の光の下、焔牙の赤い瞳が桜夜を見守り、触れられぬまま、心だけで結ばれる愛が息づく。 花と炎、光と闇――交わらぬ二人の愛は、霧深き山の奥で永遠に続く。

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エブリスタ
エブリスタ2025/08/16
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