あらすじ

昭和六年四月、長崎医科大生の永井隆は、草木豊かな浦上の町でカトリックを熱心に信仰する森山家の下宿人となり、やがて一人娘の緑と好意を持ち合うようになる。医科大を卒業後、レントゲン科の医局に入るも一年足らずで満州事変へ出征し、森山家に無事帰った後に浦上天主堂で洗礼を受け、緑と結婚する。二度目の中国出征からも生還したが、放射線過量照射による白血病を発症してしまい、昭和二十年六月に余命三年と自らを診断する。  緑は、長男と次女の将来を託され、不治の病を患いながらも戦時の大学病院で激務をこなす夫に献身を誓ったが、昭和二十年八月九日、原子爆弾の炎に森山家もろとも燃えて命を奪われてしまう。原子雲の覆う空から早世した長女と三女が迎えに来るが、緑の霊魂は昇天を拒んで地獄絵の現世に留まり、隆のいる大学病院に向かう。大怪我を負いながらも負傷者の救護活動を行う夫に付き添い、励ましつつ見守る。隆は出血多量で昏倒して危篤に陥るが、緑の霊魂の行動と祈りの甲斐あって回復する。  翌々日、隆は灰と化した森山家に帰り、黒い骨となった妻と再会する。緑の霊魂は自らの骨に吸い込まれて夫の両手に抱かれた後に、長女と三女が再び迎えに降りてきたのに従い、昇天する。  この作品は、「アルファポリス」にも掲載しています。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2020/04/02
エブリスタ
エブリスタ2018/12/28
  • 現在の作品緑燃ゆる