あらすじ
小学校の同級生同士が結婚する。
九年とちょっと前、そんな噂がキッカケとなって、どうせならクラス会を開こうとなった。それ以降、毎年十月の第三土曜日に開かれ続ける。そして今やクラスを飛び越え、同期の会へと進化していた。
そんなキッカケを作った二人、向井幸喜と美津子夫婦の間には、最近何やら不穏な空気が漂っていた。そんなところに、やはり同級生だった坂本由子から、幸喜は何やら不思議な話を聞かされるのだ。
「矢野直美って、覚えてる?」
そう言って彼女は、忘れ去っていた過去を話し始めた。
六年生の夏休み明け、直美は二度と学校に出てこない。
「先生がなんて言ってたか覚えてないけど、あれって絶対、転校じゃなかった」
そうしてさらに、そんな事実は妻である向井美津子にも飛び火して……。
美津子は小学校の頃、ずっと矢野直美をいじめていた。
そんな事実に愕然し、直美との過去を辿り始める。
そうして次々過去の真実が明らかになり、それらは新たな旅立ちだけでなく、あるはずのなかった狂気をも生み出してしまうのだ。