あらすじ

プロローグ ――この世界から、色が消えつつある。 正確には、人と人のあいだを満たしていた“感情の色”だ。 街を歩けば、笑うはずの顔は無表情に固まり、怒るはずの声は無機質に響く。 喜びも悲しみも、温度も味も、すべてが薄れていく。 それを人々は「感性喪失エモシス」と呼び、世界の病として恐れていた。 けれど僕――リク・ユノアには、まだ見える。 嘘は舌に苦みを落とし、怒りは視界に赤い光を走らせ、涙は夏の雨の匂いに変わる。 この感覚のせいで、僕はずっと「変なやつ」と呼ばれ、村の隅に押しやられてきた。 それでも、見えるものは見える。 ――たとえ、見たくなくても。

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小説を読もう2025/08/16
  • 現在の作品『君の涙は夏の雨の匂い』