あらすじ
町外れの廃ホテルで見つけた古いフィルムカメラ。高校二年生の結城志乃は、亡くなった祖母が残したその“カメラ”で写真を撮ると、世界に本来見えない「残像」が写ることに気づく――失われた記憶、消えた人影、誰かの囁き。志乃は自分の心の穴を埋めるためにシャッターを切り続けるが、写真は次第に“取り戻してはならないもの”を取り戻してしまう。やがて志乃は、写り続ける残像が“誰かを還す代償”であることを知る。戻された記憶は救いか呪いか。少女は選択を迫られる――自分の痛みを癒すために、他人の喪失を掠め取る。