あらすじ
気がつくと、そこは仮面舞踏会へと向かう馬車の中だった。社会人の結衣は、飲み会から帰るタクシーに乗っていたはずだった。しかし目が覚めると、なぜか豪奢な黒いドレスを着ており、とある乙女ゲームのヒロインになっていることが判明する。かつて途中で放り出した、乙女ゲーム『マスカレイド・ナイト 黒檀の館』。
ハッピーエンド至上主義の結衣にとって、このゲームは悪夢だった。ヒロイン死にすぎ・バッドエンドだらけ・攻略キャラが病みすぎ。難易度の高さと救われのなさに、途中で脱落してしまったゲーム。そんな危険極まりない世界に放り込まれるなんて、聞いてない!
逃亡は言わずもがな、選択を間違えたり油断したりすれば死へまっしぐら。セーブもロードもない世界で、結衣はハッピーエンドを目指し、まだ記憶に新しい攻略済みキャラクターに声をかけようとする。
が、黒い鳥の仮面をつけた長髪の紳士に捕えられ、すべての計画が崩れた。「あなたはここにいるはずのない人物です。口を割るまでは、ベッドから出しません」
それは未プレイである隠しキャラクターの、監禁というにはあまりに甘く、抗えない夜のはじまりだった──。
物腰柔らかな紳士に絆される短い話です。
※ムーンライトノベルズでも掲載しております。