あらすじ
小説『穀潰しの女達』ご紹介
もう、堕ちるところなんて、ないと思っていた。
地方の旧家で、何不自由なく育てられた三姉妹。
プライドだけが取り柄の長女・和恵。
夢破れて実家に戻った、皮肉屋の次女・文。
姉たちの影で息を潜めるように生きる、三女・幸子。
父の死と共に、かつての栄華は夢と消え、彼女たちに残されたのは、「穀潰し」という世間の冷たい視線と、お互いへの不満だけだった。
明日食べる米にも困る日々。
すがりついていた最後のプライドさえも打ち砕かれ、本当の絶望の淵に立たされた時、三姉妹は知ることになる。自分たちが信じていた「幸福」が、いかに脆く、そして滑稽なものだったかということを――。
これは、社会の隅に追いやられた女たちが、泥の中から立ち上がり、自分たちの手で「物語」を紡ぎ始めるまでの、壮絶で、どこか可笑しい再生の記録。
「ちゃんとした人生」から、はみ出してしまった全ての人へ。
きっとあなたの心に、温かい灯火と、明日を生きるための小さな勇気をくれる物語です。