あらすじ
ある日「父」が一匹のチワワを半ば衝動的に連れて来た。「ニコ」と名付けられたそれは、いつしか離散気味の一家を強引に繋ぎとめる「物言わぬかすがい」として成立しつつあった。
ニコは何も知らぬまま、祖父母の飼い犬ゴロ、祖父、そして祖母と身近な存在の死を横目に成長し、歳を重ね、やがて老いていく。そう遠くないうちに「かすがい」を失うことが分かっている中で、「俺」は家族の行く末を案じながら、独り立ちして逃げる以外の手立てを考えられなかった。
果たして独り暮らしを始め、家族を忘れて趣味に打ち込む俺の元に、ある日一報が入る。