あらすじ

大学の図書館の、いつも同じ席。僕の向かいには、決まって彼女が座っている。文学部の月城栞(つきしろ しおり)。誰もが見惚れるほどの美貌と、誰にも媚びないクールな佇まいから、遠巻きに「氷の女王」なんて呼ばれている、孤高の存在だ。僕も、そんな彼女に密かな憧れを抱いていた。静寂の中、黙々と本と向き合う彼女の横顔を眺めるのが、僕のささやかな日課だった。 ある雨の日、些細なアクシデントをきっかけに、僕の日常は一変する。僕の耳にだけ、彼女の「心の声」が聞こえるようになってしまったのだ。 『はぁ……今日も素敵。あの真剣な眼差し、伏せられた睫毛の影、最高……って、見すぎ見すぎ! バレる、絶対バレる! ポーカーフェイス、私!』 聞こえてきたのは、彼女のクールな外見とは似ても似つかない、感情ダダ漏れの、やかましいほどの本音だった。僕への好意、今日のランチの感想、課題への嘆き、その思考はまるで嵐のよう。 キャンパスで最も静かな場所は、僕にとって最も騒がしい場所になった。これは、声に出せない想いと、声に出さないのに全部聞こえてしまう本音が交錯する、もどかしくて、くすぐったい、二人の静かな恋の物語。

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カクヨム
カクヨム2025/08/15
  • 現在の作品静寂図書館のキミは、心の声がうるさすぎる【ボイスドラマ】【G’sこえけん】