あらすじ
戦後間もない東京・桜川町。
銀行に現れた白衣の男が「防疫所の薬」と称し、琥珀色の液体を配った。
十二名が死亡、生き残ったのはたった二人。逮捕されたのは元陸軍軍医・神津源一。
死刑判決、そして執行。だが、彼は無実を叫び続けた。
二十年後、若き新聞記者・新谷亮介は、古いネガフィルムの片隅に“事件当日の真犯人”と思しき男の姿を見つける。
追うほどに浮かび上がるのは、戦中の秘密研究、国家の暗部、そして証言者が一人ずつ消えていく現実。
正義か沈黙か――真実の値段を問う、昭和ミステリー・サスペンスの決定版。