あらすじ
悪魔のロイバー・ディアーはその日。長い封印から解かれ、目を覚ました。
ロイバーの一族は、人間の恋心や愛情を食べる悪魔である。ロイバーが特に好んだのは、その想いを抱いた心臓だ。封印前から、無節操に人間を襲っては喰らっていた。しかしロイバーはそれでも、一度たりともその食事に満足したことはなかった。
街をさまよい、薄暗い路地裏での『食事』中、ロイバーはひとりの壮年の男と出逢う。空っぽの心を持つ飄々としたその男は、ロイバーにとって運命であった。
この男の中に、恋愛感情という心が生まれた時。その心臓こそ、きっと己を満たしてくれるものになるだろう。そう、確信めいた予感を持ったロイバーは男に、自分のできることなら何でも願いを叶えてやると契約を持ちかける。
しかし男が願ったのは、『自分の経営している喫茶店のバイト』であった。
そんなくだらない事に本契約だなんて、もったいない。仮契約を交わし、喫茶店件自宅である『喫茶待ち人』で、ロイバーはマスターとだけ名乗ったその男と、日々を過ごしていく。
人間の恋愛感情を喰らいながらも、自身はその感情を抱いてしまうことが怖かった。そんな臆病な悪魔と、何もかもを失い空っぽになってしまった心を持った人間。二人の『悪党』が、共に生きていくまでの物語。
【表紙素材】https://dojin-support.net/