あらすじ
かつて滅びた邪神の残滓が産み落とす魔獣に、人類は脅かされ続けていた。
それに抗う唯一の手段は、神の力を宿した『神人』だけであった――。
しかし、雪風 志賀にとって神人は救いなどはなく、憎悪の象徴だ。
故郷を焼き払い、家族を奪ったのもまた神人だったのだから。
死罪すら覚悟の密入国で、彼はその世界へと足を踏み入れる。
そこで出会うのは、人知を超えた神の力――。
権力に溺れ人を踏みにじる者。
命を賭して民を守ろうとする者。
そして、その陰で翻弄され、泣き、笑う人々――。
幸福と理不尽が無造作に入り混じる世界は、まるで神々の箱庭遊びのようだった。
憎しみの刃を握りしめていた少年は、やがて問いに直面する。
不幸とは何か。幸福とは何か。
一人の『幸運』な少年が答えを探す旅路は、復讐の枠を超え、
世界そのものを見つめ直す道へと変わっていく――。
これは、世界を救う物語ではない。
復讐に駆られた少年が『本当の幸福』を見つけるまでの物語――。