あらすじ
「この味、知っている──」
ふとした記憶のフラッシュが、身体の奥に残る“快感の痕跡”を呼び起こす。
観察セッションの最中、澪はある女性の唇に残った粘膜の名残に気づく。
その舌の動き、震える視線、こぼれた声……
思い出と欲望が入り混じるような仕草に、ただの観察者であるはずの彼女の記録が、かすかに滲み始める。
彼女の記憶にいたのは、「触れられていないのに、味がした男」。
名前も、職業も、行為のすべても知っている。
それでも“今ここにいない彼”との記憶が、目の前の女性のふるまいに重なってしまう。
──記録するはずが、濡れていたのは自分だった。
「ふれていないのに、濡れていた」のスピンアウト作品。
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記録と記憶、そして快感が交錯する、ひと晩の観察記。
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