あらすじ
概要
触れたモノに残る、死者の"最後の記憶"に潜る(ダイブする)特殊能力。
元刑事の探偵・黒瀬レンは、その呪われた力ゆえに心を蝕まれ、過去の事件をきっかけに全てを捨て、酒に溺れる日々を送っていた。そんな彼の元に、不可解な連続怪死事件が舞い込む。被害者は全員、鍵のかかった密室で、顔に極度の恐怖を浮かべたまま心臓麻痺で死んでいた。
――通称「影法師」事件。
被害者の遺品に触れ、死の記憶にダイブした黒瀬が視たのは、物理的に存在するはずのない、人の形をした"影"だった。それは、被害者の妄想か? それとも、超常的な殺人鬼か?ダイブを繰り返すうち、"影"は記憶の中から黒瀬を認識し、彼の精神と現実を侵食し始める。そして黒瀬は気づいてしまう。この事件が、彼自身を刑事の道から引きずり下ろした、あの日の絶望と繋がっていることに。これは、記憶と現実が交錯する、新感覚サイコ・ダイブ・ミステリー。あなたの信じる現実は、本当に"本物"か?
登場人物紹介
黒瀬 レン(くろせ れん)
【記憶に潜る、傷ついた元刑事】
本作の主人公。触れたモノに残る所有者の強い記憶を追体験する「サイコメトリー」の能力者。特に「死の記憶」に深く同調してしまうため、過去のトラウマと共に心を閉ざし、探偵として細々と暮らしている。皮肉屋で厭世的だが、心の奥底には刑事としての正義感を燻らせている。
佐倉 詩織(さくら しおり)
【真実を追う、まっすぐな女性刑事】
警視庁捜査一課の刑事で、黒瀬の元後輩。行き詰まった「影法師」事件の捜査のため、組織のルールを破って黒瀬に協力を求める。彼の能力を半信半疑ながらも、その力を信じようと奮闘する。常識と、常識外れの事件の狭間で葛藤する、本作のもう一人の探求者。
霧島 玲司(きりしま れいじ)
【主人公を導く、名精神科医】
政財界からも信頼の厚い、著名な精神科医。事件の異常性に精神をすり減らす黒瀬のカウンセリングを担当し、彼の良き理解者として、専門的な見地から捜査に協力する。その穏やかで知的な物腰は、孤立する黒瀬にとって唯一の光となるが…。