あらすじ
大学受験に失敗したあの日から、俺の時計は止まった。
就職もせず、フリーターすら長続きせず、気づけば実家の一室で母と暮らすだけの生活になっていた。
パソコンとネット、安酒と漫画。社会とは切れたまま、二十五年。
「無理しなくていい」と言ってくれた母のやさしさは、俺を守る殻であり、同時に外へ出る勇気を奪った鎖でもあった。
――そして、母はある日突然、帰らぬ人となる。
年金も止まり、家計はすぐに赤字。
働き口は見つからず、気づけば酒とパチンコとネットの罠に沈み込んでいく。
借金、督促、家の差し押さえ、そして路上生活。
過去を悔やむには遅すぎた。未来を夢見るには、あまりにも遠くまで落ちすぎた。
五十歳、無職、孤独。
それでも、この人生の最後のページに何を書くかは、まだ俺が選べるのだろうか――。