あらすじ
高校二年生の海音は凪に思いを寄せていた。思い出にはいないはずなのに、その柔らかな瞳がどこかで見たような気がするのだ。
修学旅行で友だちの美咲と同じ班になり、凪と、凪の親友である奏が教会へ行く時間帯を調べだし、ぶつけた。教会で告白をする魂胆だ。
しかし、到着した函館は生憎の雨模様。凪が儚げに窓の外の霧雨を見詰めていると、奏は彼を睨みつける。その光景を目の当たりにした海音は、複雑な心境になるのだった。
函館で見た、明治時代と思わしき夢――思いを寄せる誰かは心を失ってしまい、原因となった男性を平手打ちする。しかし、彼は反省どころか悪いとさえ思っていなかったのだ。妻と仲睦まじく去っていく男に、憎悪が煮えたぎる。
この思いを寄せていた人、憎き男、その妻は実在したのだろうか。存在していたのなら、誰なのだろう。
海音は気にするものの、答えは出てこなかった。
いよいよ教会を訪れると、凪と奏が話し込んでいた。内容から、海音が見た夢の話――いや、前世の話をしているらしい。
凪が言うには、海音が思いを寄せていた人は奏で、あの憎き男は凪なのだという。謝罪の姿を見せる凪に、何も言えなくなってしまうのだった。
修学旅行から一ヶ月後、凪への恋は終わりを迎え、想いは奏へと移っていた。今を大事にしながら、海音は今日も生きていく。
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