あらすじ

本編で語られなかった春日小町。 もう一つの物語 —Another Memory of KOMACHI— 『この物件、小町につき』第5話。 そこで描かれたのは、小町と椎名灯が訪れた、とある空き家の出来事。 しかし、そこにはもうひとつの物語が隠されていた。 ――その庭には、大きな白い犬がいた。 夏の日差しに毛並みをきらめかせるその犬は、名前もなく、誰を待っているのかもわからない。 小町が初めて足を踏み入れたとき、低い唸り声で近づくことを拒み、追い払おうとした。 けれど日が経つにつれ、少しずつ距離は縮まり、やがてその犬は小町を待つようになっていく。 名をつけたのは、小町だ。 「目がくりくり……めだま……っ! めだま、なのよっ!」 それが、二人――いや、一人と一匹の物語のはじまりだった。 木の枝を投げて遊び、縁側で昼寝をし、引っ張りっこで転がり合う日々。 灯には「犬って、ずっと誰かを待つのよ」と話したこともある。 それは昔、小町が出会った、別の“待つ犬”の記憶が重なったからだ。 しかし、その平穏な日々は長くは続かない。 学び舎で耳にした、あの家の過去。 庭に残された、かつての“ご主人様”の痕跡。 胸の奥がざわつき、小町は走り出す。 めだまのもとへ――まっすぐに。 そこで小町が見たもの、聞いた声。 ふわふわの毛の感触と、最後に交わした抱擁。 そして、庭の片隅で見つけた一つの石像。 手を触れた瞬間、一瞬だけ伝わった、あたたかくも切ない感触。 これは、花火と三日月と満天の星の下で紡がれる、もうひとつの小町の物語。 笑って、泣いて、そして心に刻まれる夏の夜。 本編を知っている人はもちろん、このスピンオフからでも楽しめます。 小町の無邪気さと真っ直ぐさ、そして犬“めだま”との絆が描かれる、優しくも切ないサイドストーリー。 あなたもきっと、読み終わったあと、空を見上げたくなるはずです。

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カクヨム
カクヨム2025/08/14
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