あらすじ
自由は、この街には存在しない。
灰色の雨が降り続く産業都市。
剣と魔法、銃火器、そして蒸気と歯車の機械が渦巻く街では、魔法ギルドが水・食料・軍事などを独占し、人々の自由を押し潰していた。
日雇い整備士・ライザは、使い捨ての労働者として軍事魔法ギルドの外郭工事に駆り出される。
作業中、偶然触れた古代魔法文明の中枢機構から、膨大な情報が頭へと流れ込んだ――その瞬間、世界は変わった。
頭に直接、敵兵の動きや弾道、魔力の流れが数式に変換され、勝利へのルートが瞬時に浮かび上がる。
その解に身を任せたライザは、襲撃してきた武装兵を撃退してしまう。
しかし、それは都市の均衡を崩す火種だった。
魔導AIを操りたいギルド、古代文明の遺産を独占しようとする闇組織、監視者のように彼を見つめる、古代の紋様を刻んだ腕輪の男――。
味方は条件次第で裏切り、助けは見返りがなければ差し伸べられない。
この都市で生き残るには、駆け引きと計算が必要だ。
「もう命令だけの人生には戻らない」
灰色の街で、日雇い整備士の反撃が始まる。
生きるために、そして自由を手に入れるために。