あらすじ
ある日、世界から“爆発”が消えた。
核兵器も、火薬も、ミサイルも──火は灯らず、音は響かず。
軍は混乱し、科学者は震え、政治家は沈黙する。
原因は不明。ただひとつ、世界中に同時出現した匿名文書には、こう記されていた。
「The last war must be silent.(最後の戦争は、沈黙のうちにあるべきだ)」
名もなき発明者“A.S.”が放った自己増殖型粒子は、雨に紛れ、地中に潜り、世界の火を奪っていく。
やがて暴力は武器を失い、戦争は言葉だけで行われるようになる。
それは、楽園か、監獄か。
──人類はいま、「爆発なき世界」で、初めて“文明の意味”を問われている。