あらすじ
戦争の足音が近づく初夏だったが、通称「玻璃の浮島」のガラス工房は夏至祭りを前に、どこも繁忙期を迎えていた。そんな中、孤児の身の上ながら独立して工房を持つエヴァレットは、島を訪れた異国の若き科学者のフェビアンと知り合い、彼に協力してガラスの実験器具を作ることになる。学のないエヴァレットだが、フェビアンの語る学問の深淵に次第に惹かれていき、やがて彼と同じ世界を見てみたいと願うようになる。しかし、ガラス工は島の外に出ることを許されていない。島の外でも国際情勢が悪化の一途をたどり、外国人であるフェビアンと共に過ごすことはますます困難になっていく。閉じ込められた情熱を解き放つように、窯の前でガラスを作り続けるエヴァレット。学問への情熱とエヴァレットへの想いの狭間で選択を迫られるフェビアン。やがて、人魚とガラス工の悲恋の伝説に由来する夏至祭りが幕を開ける。島中がガラスのランプの光で満たされる中、二人は限られた時間を惜しむように想いを交わす。
※麗しいエヴァレットの表紙を、Shivaさんに描いていただきました! ありがとうございました。