あらすじ
森奥深くの塔に住む少女はある奇病に罹っていた。
“死夜(ししゃ)病”、それは月光を浴びれば瞬く間に体が灰へと変わり死んでしまう病。
その病気のせいで少女は遠出することは叶わず、夜がどんなものかも分からずじまい。
毎日を退屈に生きていた彼女は暇を持て余して作った紙ひこうきを塔の上から飛ばした。“飛ぶ”というよりは“滑空”しただけのそれは少女が行けない遠く、遠くへと消えていく。
次の朝、何故か窓際に昨日飛ばしたはずの紙ひこうきが置かれていた。今にも落ちそうなそれを拾って広げると拙いながらも黒い文字でこう綴られていた。
「あなたは誰ですか?」