あらすじ
ごく普通の女子高生だった神崎紬は、横須賀にある記念艦『三笠』を見学中に眩い光に包まれる。
一九四五年十二月二十日、紬は子爵の位を持つ神崎家で使用人として働いていた。
いや、正確に言えば紬は神崎家の嫡女だった。しかし、母親が早くに亡くなり、再婚後の一年を待たずに医者だった父親も病没した。
紬一人ならば、充分に暮らしていける財産はあったのに、継母と義妹が使い果たしてしまった。
金銭に困窮した神崎家に、思いがけない縁談が舞い込む。
義妹に来た縁談だったが、継母は紬を嫁がせて結納金を手に入れる魂胆だ。
相手は二十五歳年上の海軍大佐だという。
放り出されるように、相手の元に嫁がされた、紬を待ち受けていたものは。