あらすじ

吉祥頑頭は、娘のシノノメに、第286回L1不可視天体監視連絡会に出席するよう頼まれた。吉祥家からの直接アクセスでは屋敷のセキュリティにすべてはねられてしまう。頑頭は昔の伝手で、外部の接続拠点を借り、バーチャル会議に臨む。 会議はアレシボ茶会の主催、茶会メンバーは第1世代デザイナーズチルドレンである。会議の最中に割り込んだ優多の父、セドリックは、頑頭に自宅に来るよう、手話で伝える。 優多の自宅にて、初めて対面を果たしたセドリックと頑頭。セドリックは、頑頭にPTAの会長になってほしいとお願いする。頑頭は、妻が吉祥学園の理事長であることを理由に、申し出を断りつつ、インチワーニ・ガルベストンを会長に推薦する。「新しいPTA会長はインチ」と大喜びのセドリックだったが、頑頭はアレシボリプライの秘密をセドリックに告げ、その内容にセドリックは驚愕する。 月見台で開かれたPTA総会の後、3組の夫婦は、それぞれに、自分たちの子とデザイナーズチルドレンの行く末を案じるのであった。 L1不可視天体監視連絡会での失態に憤る、アレシボ茶会のメンバーの一人、シオーネ・セベレは、F16ファイティングファルコンを駆り、月見台への侵入を試みる。心理障壁をかろうじて突破したセベレだったが、亜空間防壁には手も足も出ず、その入り口で停滞するしかなかった。 見かねたベルンシュタイン教授は、亜空間走路を通ってセベレを救出する。ヒスパニオラへの中継拠点である月見台には、亜空間走路を使いこなすしか、到達する方法が無い。ベルンシュタイン教授に教えを乞うも、「自分でやれ」と、アレシボ茶会のメンバーは突き放される。窮したアレシボ茶会は、メンバーの一人、アイジュマル・バイラモフの提案を受け入れ、量子コンピューター、キュービット1Mの計算パワーを利用して、亜空間走路の荒波に出ようと決意する。 月が天頂にかかる夜、電離層がもっとも薄くなる時間帯、キュービット1Mは、ヒスパニオラの拡張イジングモデル計算機、オールインワンにメッセージを送っていた。オールインワンの返事は「オイラのことは心配すんな」だった。それは、地球に縛られるキュービット1Mに対する、オールインワンのせめてもの優しさだったかもしれない。

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小説を読もう2025/05/06
  • 現在の作品宇宙大回転マッハシステム ―― 第2象限