あらすじ
港町・白波(しらなみ)市にある私立白波学園。高校2年の篠宮結(しのみや ゆい)は、毎日午後3時になると“境界線”と呼ぶ不可思議な現象を目撃する――世界の一部が薄く裂け、他の“何か”と接触する短い瞬間。裂け目からは写真や手紙、時には見知らぬ人の断片的な記憶が落ちてくる。
ある日、結は幼馴染の有馬蓮(ありま れん)との共通の記憶が消えていくのを目の当たりにする。彼女だけが残った“写真”の中に覚えのある笑顔を見つけ、消えゆく記憶の謎を追うことを決意する。だが境界を覗き続けるほど、結自身の記憶も薄れていく。真相に迫るほどに、結は――そして読者は――大切な「約束」を巡る選択を迫られる。