あらすじ
高校図書室で地味にアルバイトをする女子高生・白石つばさは、ある日、古書の間から古ぼけた黒革の本を見つける。その本に誰かの名前を書き込むと――その人の「一日分の記憶」が本に転写され、書いた者がその一日をまるで小説のように読めるという。最初はちょっとした好奇心で、クラスメイトや近所の人の一日を借りて読んでいたつばさ。しかし、ある日、彼女が借りた「ある一日」は、読むほどに世界の歪みに気づかせる――その人物は、誰の記憶からも“消えている”という事実に。記録も写真も、誰の記憶にも存在しない「消えた人」を巡り、つばさは、図書室の本が抱える秘密と、自分の感情の核に迫っていく。